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2013年 今年読んだ中で面白かった本10冊

今年は年間100冊を目標に掲げ,終わってみたら141冊の本に出会った.小説からノウハウを記したハウツー本やら伝記やら古典まで昨年よりは多くのジャンルの本を読めたのは良かった.学校や市の図書館が充実していたのも助けになったかと.

前置きが長くなったけどランキング(ジャンル不問)を発表します.おもしろくかつ自分の考え方に影響を与えた・与えている本が多数ですね.
※もちろん偏見と主観によりますのであしからず


10位 『喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima』森博嗣(講談社文庫)

喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima (講談社文庫)
 

初手森博嗣
理系博士をもつ森博嗣らしい研究者の物語.読書メーターの感想にも同じようなことを書いたけど,時間を忘れて没頭できる世界を見つけられたら人生は魅力的になるのだと思います.「研究」が主人公にとってのその世界として物語が展開します.理系ならうなずきながら,理系とは縁遠い人は「こんな世界もあるのか」と新たな気づきを得ながら読むことができる作品です.

読書メーター感想>
とても現実感のある内容で,理系大学院生の自分もあるあると楽しみながら読めた.かつて研究の世界に魅了されていたときのことを思い出した.こんな風に心から尊敬できる師に出会い,自分の道を突き進んでいった主人公のような強さを羨ましく思う. 直前に「大学の話をしましょうか中公新書ラクレ)」を読んでいたので,森博嗣(敬称略)の大学感が伝わってきて,それもまた楽しかった. 少し悲しい終わり方のような気もするけれど,それもまた現実味があってなおよい読後感を生んでいるのかもしれない.

去年に引き続き,今年も森博嗣からは多大な影響を受けております.

 

9位 『自分でやったほうが早い病』小倉広(星海社新書)

自分でやった方が早い病 (星海社新書)

自分でやった方が早い病 (星海社新書)

 

これはあるあるではないでしょうか?「人に任せるよりも,自分でやったほうが断然早いしいいクオリティの高いものが作れる!」と思っているそこのあなた!危険です!
これは読書メーターに書いた感想をそのまま

タイトルにやられて購入.来年度から後輩を預かる身になるので,コーチングの勉強にと読んでみた.気になった所は「我慢すること」「自分が大きく成長すること」「丸投げと任せるは違う」など.ありきたりだけど自分の考え方と行動を変えて,自分のパラダイムを一つ上のレベルに押し上げることで見える世界が変わり,結果として下がついてくる.些事に目を奪われず,長期的に自分と後輩が成長できるような枠組みづくりを進めて行きたい.もちろんコミュニケーションを取ることを忘れないようにしなければ独りよがりになってしまうことに注意したい.

自分が成長するのに合わせて周りにも働きかける人はなかなかいないのではないか.ならばそういう人になろうと思わせる一冊でした.

 

8位 『冷たい校舎の時は止まる(上・下)』辻村深月(講談社文庫)

冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)

冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)

 
冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)

冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)

 

辻村深月はどうしてこんなにも僕達のことを知っているのだろう.
デビュー作であり,初めて読んだ辻村作品です.この後,『ツナグ』『凍りのくじら』『名前探しの放課後』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ』『名前探しの放課後』『ぼくのメジャースポーツ』『スロウハイツの神様』『ふちなしのかがみ』と辻村作品を読みましたが(はまりました),相当なインパクトでした.同級生がクローズドサークルに閉じこめられ,抜け出す方法を探るというミステリ&SF要素を持っている作品です.登場人物に相当感情移入してしまい,下巻はノンストップで読み進めて次の日には友人に薦めていました.時に理解を示し時に人の痛いところを突いてくる,そんな作風に惚れてしまいました.
今後も辻村作品には期待です!

 

7位 『はみだす力』スプツニ子!(宝島社)

はみだす力

はみだす力

 

情熱大陸で「スプツニ子!」を観て,この人おもしれー!と感じ,自伝(?)が出ているようなので即購入しました.クラスから,集団からはみだしてしまったからこそのスタイルは苦悩の先にあるものなのかもしれないな...とか達観しました.
ある種サクセスストーリーですが,こういう生き方もあるんだと勇気づけられます.
一時間程度で読めるのもいいですね.あとからさらっと気になるところを読み返しています.MIT助教授になられたスプツニ子!さんの今後の活躍にも期待しております.

 

6位 『女王の百年密室森博嗣(新潮文庫

女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN (新潮文庫)

女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN (新潮文庫)

 

きました森博嗣のSF小説です.
少し未来の世界で人間(ミチル)と人間を補助するロボットウォーカロン(ロイディ)を中心に謎が起こるミステリ仕立ての作品です.SF小説でありながら,Vシリーズ並み(もしくはそれ以上)の哲学的語りは圧倒的で脳汁がドバドバです.現代とは異なる世界を持ち出すことで,異分野に触れているような体感ができ,認識とはなにかを深く考えるきっかけになりました.本作は3部作の1作目であり,続く2作目『百年睡魔の迷宮』も同様におもしろかったです.3作目と言われている『赤目姫の潮解』は積んでいるので来年初めに読みたいですね.
 

5位 『車輪の下ヘルマン・ヘッセ(新潮文庫

車輪の下 (新潮文庫)

車輪の下 (新潮文庫)

 

古典とはとんでもないものですね.
是非下手な知識を入れず,初見の感想を大事にしてほしい作品だと思います.(書くのが面倒になったわけではありません)
後の学園モノと呼ばれるいろいろな作品が影響を受けていると思われます.トーマの心臓などもヨカッタです.

 

4位 『独立国家の作り方』坂口恭平(講談社新書)

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)

 

先輩に勧められて読んでみた本です.
まずタイトルが強烈.読み始めはよくあるハウツー本かななんて思っていたのですが,読み進めるごとに著者の主張が特殊で飛び抜けていることが分かります. 中でもレイヤーの考え方は逸脱していて,「多様なレイヤーが重なり合って社会を作っている」といわれてからはそうとしか考えられなくなりました.人は誰もがレイヤーを持っていて,レイヤーは才能と読み替えることができるのではないか.だれもが自分の才能を活かせる社会が本当の意味での社会なのかもしれません. 著者の全ての考え方に賛同できるわけではありませんが,間違いなく物の見方を変えさせるような説得力があります.進学する後輩に贈った本でもあります.

 

3位 『未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる』ちきりん(文藝春秋

未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる

未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる

 

所謂終身雇用で一つのライフスタイルを貫く時代は終わり,50歳前後を節目に2つの別の生き方を想定してはいかがか?といった趣旨の著書.50歳で自分のライフスタイルに見切りをつけるためには,(1)強い目的意識(遊んで暮らしたいも含まれると思う)を持って生き抜くこと (2)次に何をしようかとアンテナを広く貼っておくこと=好奇心が必要ではないでしょうか.先行きが不安なこの時代で就活をしている僕には印象的な一冊でした.社会のしがらみに囚われる前に,おおまかなキャリアプラン・ライフプランを決めていくことで今後捗ると思います.

 

2位 『人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いか』森博嗣新潮新書

他の動物と大きく異る人間特有の能力が「思考」である.
本書では抽象的に物事を考えることの重要性について森博嗣の考えを再三にわたって説いています.
ある側面だけを切り出した「具体」例では本質をつかむことはできません.この本質を掴む力=抽象化が思考の中でも上位の能力であると著者は考えています.抽象的な考え方をするためにはトレーニングが必要であり,頭のなかに庭をつくってみてはどうかと提案しています(詳細はぜひとも読んで感じていただきたい).森博嗣の著書を読むときは常に影響を受けようというスタンスで読んでいるので学びも多いような気がします.

 

1位 『僕は勉強ができない』山田詠美(新潮文庫

ぼくは勉強ができない (新潮文庫)

ぼくは勉強ができない (新潮文庫)

 

 実は2年前に読んだ本を再読しました.
再読したこの本が2013年の栄えあるベスト本です.

タイトルに惹かれて読んだ2年前,この本で僕は読書の世界に引きずり込まれたといっても過言ではありません.そのくらいの衝撃を受けました.2年ぶりに再読し,当時ほどの衝撃を覚えず「成長したのかな」と嬉しくも悲しくもあります.
思い出補正があるかもしれませんが,小説の域を超えたメッセージ性のある良書だと思います.できれば学生のうちに読んでもらえると,別の視点での生き方を見せてくれるのではないでしょうか.もちろん学生でない人でも,「読みっぱなし」にならない読書が体感できると思います.

 

2014年は「多少の精神の緊張を伴う読書」を50冊することを目標に,読書に取り組んでいきます!学生最終年なので,読書以外の世界にも飛び込みます!では!